信頼できる日本語ドメイン環境の確立が課題か~成城大学・野島久雄教授
講演会では続いて、成城大学社会イノベーション学部の野島久雄教授が「“日本語.jp”はわかりやすいか? 国際化ドメイン名の心理的評価」と題して講演。ローマ字や英語のアルファベットによるドメイン名と比較して日本語ドメイン名がわかりやすいかどうか、心理実験の枠組みから検証した結果を紹介した。
この実験は、20歳代の大学生や60歳代の高齢者を被験者として行なったもので、広告や雑誌記事などを想定したテキスト、音声などでドメイン名を提示し、認知のしやすさや記憶のしやすさ、入力のしやすさなどを検証した。
全般的に日本語ドメイン名は、テキスト・音声いずれの方法で提示した場合も、認知のしやすさや記憶のしやすさなどの点でローマ字や英語よりも優れていたという。ローマ字は文字を読み取るのが困難であり、英語は文字を書くところが困難だった。これに対して、日本語はいずれも優位性があった。また、単語の長さについて見ると、ローマ字と英語は長い単語になると成績が悪化したが、日本語は長い単語でも優位だったとしている。さらに、日本語の単語では文字数が少ないことから、携帯電話からの入力に日本語ドメイン名が向いているという。結果から明らかなように「言うまでもなく日本語が使えたほうがいい。日本語ドメイン名環境があると考えれば、間違いなく、日本人にとっては日本語のほうが英語やローマ字よりはわかりやすい」(野島教授)。
ただし、この実験では被験者に対して事前に日本語ドメイン名についてレクチャーするなどしている。そもそも、日本語ドメイン名というものがあるということを知っており、実際に日本語ドメイン名が使えるということが前提となっている。野島教授は「問題は、日本語ドメイン名があると思わない、あるいは、あるかどうかわからないという段階になると、『日本語ドメイン名があるのかな、ないのかな』という1つ余計な判断をしなければならない」と指摘する。
その例として野島教授は、電車内で見かけたという「エイズ予防財団」の広告の例を挙げた。野島教授が後で調べようと思ってドメイン名を覚えようとしたが、複雑な英語の訳語でなかなか覚えられなかったという。このような場合、日本語ドメイン名があるかどうかわからなれば、試しにいったん日本語ドメイン名でアクセスし、エラーになったらGoogleで検索し直すという作業が必要になる。「『エイズ予防財団.jp』というドメイン名が確実にあるんだよ、という信頼感を持たせることができれば、あるいはそういう環境が出来上がりさえすれば、日本語ドメイン名は非常に有利な側面があることは間違いない」との見方を示した。
なお、この研究結果は、「日本語ドメイン名~インターネット標準策定の軌跡」内の1つの章で紹介されている。
引用元: http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2006/06/06/12217.html
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